3分で教えます! vol.9 「暗号にまつわるエトセトラ」

PUFFYの曲名みたいな題名になりましたが、3分で教えます! 第9回は「暗号」を取り上げます。
暗号化技術はITの普及と切り離せないものとなっていますが、その歴史時代は古くまた数々のドラマも生んできているのです。

暗号の種類は2つに大別される

一言で暗号といわれていますが方法によって二つの種類に分類されます。

コード

特定の言葉や文章に別の意味を持たせておき、そのルールを共有することで暗号として機能させることを指します。
有名な例だと日本が真珠湾攻撃の決行を指示した「ニイタカヤマノボレ=作戦を決行せよ」や「トラトラトラ=我、奇襲に成功せり」などがあります。
実際の文意とは別の意味を持たせておいて、共有者間でのみ効果を発揮する類のものですね。私は小学生のときに仲良しグループ内で秘密の共有などをする際に使用していた記憶があります。もとの言葉からはヒントがないので解読はほぼ不可能ですが、本当に限られた集合体でしか使えないのと、意味を変えたければ新たな暗号を作らないといけないので使い勝手は悪い方式になります。

サイファー

意味をなさない文章に対して、特定のルールをはめて文字を置換・転置することで意味のある文章を復元させる方式と鍵を用いて復元させる方式があり、現代暗号ではこの鍵の方式がメジャーとなっています。よくクイズなどでも意味のわからないアルファベットの羅列を数文字ずつずらすことで基の文章を復元させているのがありますよね?あれは古典的ではありますが、暗号技術を使用していることになります。
送り手と受け手の双方でルールさえ定めておけば好きな文章を暗号化して伝聞できるので汎用的ではありますが、ルールの伝達や如何にしてばれないようにするかが課題となります。

暗号体系例

破ってからが勝負だった暗号戦争

暗号は紀元前5世紀から使われていたと言われていて、時代とともにその内容も進歩しています。
作っては破られ、さらに複雑なものを作って・・・ということを繰り返しているのが暗号の歴史になります。
戦争においての情報戦と言われ、その代表的なものが第2次世界大戦におけるドイツ軍の暗号「エニグマ」をめぐっての戦いになるといえるでしょう。
今から遡ること70年以上前の1940年前後、ヒトラー率いるドイツ軍がヨーロッパに侵略を始め破竹の勢いで占領区を広げていました。その快進撃を支えていた大きな要因が当時は解読不可能と言われていた暗号「エニグマ」。当時一番の敵対国で本土空襲も受けたイギリスは諜報部「MI6」を中心としてエニグマの解読を進め、ついにはその解読に成功します。
相手の作戦が手に取るようにわかる!これで連戦連勝!
と単純にいかないのが暗号戦争で、ここからが本当の戦いになるのが面白いところ。解読の事実をドイツに悟られては次の暗号が使われてしまうためイギリスは解読できていることを公にはせず、ごく一部の関係者に情報を留め、統計的・戦略的に最大の利益が取れるようにバランスを取りながら解読情報を利用していたのです。(肉を斬らせて骨を断つ、の考えですね。目先の勝利に拘らず、というのは立派ですが防げる被害にもあえて手を打たずにいたことに対して賛否があったようです。これは難しいところですが。)
最終的には皆さんご存知のように連合国が勝利を収めたわけですが、その後も手の内を見せないため数十年間解読の事実は伏せられていました。それくらいイギリスは情報についての価値を認めていた、といえるでしょう。

このエニグマ解読の経緯をテーマにした映画に「イミテーションゲーム」というのがあります。解読の立役者アラン・チューリングを主人公とした映画ですが、戦争をテーマにしながらアクションシーンは一切ないというちょっと変わった構成です。興味のある方一度見てみてください

あなたの情報も暗号化されています

戦争とともに発展してきた暗号技術ですが、私たちの生活でも身近なものとなっています。
日常的に使用しているパソコンやメール、ウェブサイトなど主にインターネットを介して行う通信では
ユーザーは意識していなくても暗号化技術が用いられていて情報は保護されています。暗号化技術は個人情報のセキュリティなどとは密接な関係にあり、必要不可欠なものとなっているのです。

いかがでしたか?

普段あまり表舞台で目にすることのない暗号について取り上げてみました。知らずに使っているのと知っていて使っているのでは意識の上で大きな差が生まれます。セキュリティの意識向上のひとつとして捉えてもらえれば幸いです

これからも色々なテーマを取り上げていきます。リクエストなどあればページ下部のコメントから送ってください!


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