3分で教えます! vol.15 「シェアリングエコノミー」

密かに広がりをみせつつある「シェアリングエコノミー」。政府も推し進め始めているこの仕組みを解説します。

シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミーとはモノ・空間・スキルなどの資産を新たに作り出すのではなく、提供者からシェアしてもらいサービスとして活用していく、という考え方で、遊休資産を活用して提供者・利用者ともに無駄の無い経済活動をしましょう、ということです。

BtoBでもあり、BtoCでもあり、CtoCでもあり、とそのサービスの実現形態は多岐に渡ります。

サービスの成り立ち

では、どうやってサービスが成り立っているのか、を見ていきます。

まずサービスには3者が登場します。
■プラットフォーム提供者(プラットフォーマー)
 インターネット上に提供者と利用者を繋げる場所(プラットフォーム)を運営する役割を担います。集客や使いやすいサイトの構築、宣伝など。

■提供者
 サービスの提供者です。貸し出す遊休資産(建物やモノ)の所有者であったり、労働力を提供する場合は実務者となります。

■利用者
 サービスを利用する立場の人です。必要とするサービスを選び、購入。サービス料をプラットフォーム提供者に支払い、提供者からサービスを受けます。



基本的に上記の3者によりサービスが実現します。

特に目新しいスキームではないかもしれませんが、インターネットを介して行うことで誰しもが提供者となりうることから、「一億総活躍社会」「地方創生」のキーワードとともに政府も推進し、重点政策のひとつとして扱われています。

代表的なサービス

すでにサービスとして一定の評価がなされ、定着しているものもあります。
そのひとつが「クラウドワークス」
これは「スキルのシェア」を行うサービスとして有名で、提供者はフリーランスやSOHOで働こうと考えている方たちです。
サイトに自分のプロフィールを登録、利用者(主に企業)が手伝ってほしい案件などを公開しているので、それに対して応募する形になります。企業側としてはピンポイントで単発の業務を比較的安価で発注できるメリットがあり、提供者は自分のスキル・スケジュールに沿って仕事ができるメリットがあり、広がりを見せています。

空間のシェアとして「NOKISAKI」。
これは「空間のシェア」を行うサービスで、「軒先」というスペース資産を提供するものです。
曜日・時間などを指定して提供、利用者はそのスペースでプロモーションなどの販促活動を行う、というものです。同様の発想で駐車場として提供するサービスもあります。

どうせ使わないものなので利用者・提供者ともに有効活用しましょう、という理念ですね。

そのほかにも海外では認知の高い配車サービスとしてUberがあります。
シェアリングエコノミー
(参照:シェアリングエコノミー協会。sharing-economy.jp)

今後の展望と課題

というように多種多様なサービスとして広がりを見せているシェアリングエコノミー。日本での市場規模は2014年で233億円程度で一大産業とはなっていませんが、政府の成長戦略の重点政策として指定されるなど公的な支援の下、広がっていく可能性のある市場となりそうです。

「中小企業白書 2017年版」にも取り上げられていて、課題が提示されています。

サービスを行ううえでの全体的な課題としては「知識・スキルをもった人材の不足」が懸念され、「ビジネスモデルの構築が難しい」や利用者からは「提供される品質に対しての不安」、提供者からは「マッチングの難しさ」などが挙げられています。
シェアリングエコノミーの前提が「インターネットを介して」となっているので、不透明さという懸念がどうしてもぬぐえない、という印象です。

ただ、ネットオークションなどがこれだけサービスとして定着した現在、それらの問題はクリアされていくのでは、とも思います。

いかがでしたか?

今回の記事で挙げたもの以外でも多くのサービスが実現・検討されています。誰しもがサービス提供者になり経済に参加できる社会を手助けするシェアリングエコノミー。
生活の身近なところにも可能性がありそうです。

これからも色々なテーマを取り上げていきます。リクエストなどあればページ下部のコメントから送ってください!

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