3分で教えます! vol.21 「コトラーの競争地位戦略」

本日2018/11/30をもって、コンビニチェーンのサークルKがファミリーマートへの移行を完了し、サークルKという店舗がなくなるようです。ここ数年統合などを繰り返してきたコンビニ市場の寡占化がこれで落着きそうな感じですね。
それに関連して本日は競争が起こっている市場においての企業戦略というものを取り上げます。

企業戦略とは

そもそも「戦略」とは目的を実現するための作戦・大きな要綱となります。
そしてよくセットで語られる「戦術」とは戦略に基づいて実行する手順・方法という位置づけになります。つまりは戦術というのは戦略を実施するためのもので、内包されるものとなります。

さて、この戦略ですが経営戦略や軍事戦略、政治戦略など使う場面によりさまざまな呼び名がありますが、目的に対して立てられるという点ではすべて同じ意味となります。

その戦略という概念自体は古くからあり、一説では孫子がその始まり、とも言われているほど歴史のあるものになります。
時代や社会環境とともに変遷を経て、理論として洗練され今日に至るわけです。

今回はその中でも特に語られることの多い企業戦略・経営戦略を例に中身を見ていこうと思います。

立ち位置によって異なる戦略

企業というのは存続するために絶えず利益を上げ続けなければいけない存在で、そのためには当然作戦が必要となります。
ただ漠然とヒトを集め、モノを作り、カネを集めるだけでは安定した経営は難しいですし発展もしにくいでしょう。

そこで戦略を立てます。
どのように商品を宣伝していくかのマーケティング戦略、
資金繰り・投資をどうしていくかの財務戦略、
人をどう育て、集めていくかの人事戦略
など事業に応じてそれぞれの事業戦略を立て、企業を経営していくのです。

会社の創業者はまず「企業理念」を掲げるわけですが、その理念を実現するために戦略が必要となるのです。

そしてその戦略についても研究が進んでおり、企業の置かれている状況・立場により取るべき戦略というのが存在しています。
今回は市場におけるシェアによって変わってくる戦略というものを見ていきましょう。

トップ企業が取るべき戦略



ある分野においてシェアの一位を占めている企業が取るべき戦略を「リーダー戦略」といいます。

そういった企業が取るべき政策として、
・市場全体の拡大
・ブランド強化
・付加価値の向上
といった内容が適しているとされています。

よくリーダーシップ論などで「何もしないのがよいリーダー」などと謳われているのを目にしますが、企業ではそうはいきません。トップだから何もしない、というわけではなく土台を固め、今いる地位を盤石にしていく、という方針ですね。

チャレンジャーの精神でトップを狙う



続いて2番手・3番手の企業が取るべき戦略が「チャレンジャー戦略」です。
この戦略で一番強調されているキーワードが「差別化」になります。
トップと同じことをするのではなく、製品やサービス、ターゲットに対して違うことを行い、トップになる機会を狙う、というのが主の内容となります。
同じく上位だけでなく下位に対しても気を配らなければいけません。下位のシェアを奪うことやM&Aで統合してシェアを伸ばすなどの方法があります。

このチャレンジャー戦略で身近にある例がファストフード業界で、市場の拡大・ブランド強化の一環としてマクドナルドが100円マックなどの大胆な値下げを行ったのに対し、当時2位のモス・バーガーはその流れに追従するのではなく、高品質の路線を選択。差別化を図っていたのがこの戦略となります。
その結果、

安く早く食べたいならマクドナルド、
少々高くてもいいからゆっくり落ち着いて食べたいならモス・バーガー、

というように消費者に選択する余地を与えることになり、支持されていました。

なんとか付いていくフォロワー戦略



市場においてシェアが高くなく、トップを狙う位置にない企業が取るべき戦略が「フォロワー戦略」
follow。付いていく、という意味ですね。

ここでのキーワードは低コスト・低価格
技術やマーケティングなど真似できるところは真似し、コストダウンを図りシェアと利益を維持することが目的となります。

すき間を狙ったニッチャー戦略

上記のフォロワー戦略と対照的なのが「ニッチャー戦略」
大きくシェアを伸ばすことを狙うのではなく、狭い範囲で確実に利益を確保する考え方です。
ここでいう範囲とはさまざまで、
特殊な要望を持っている顧客層や使用用途が限られている製品機能などで、
大きな企業が収支が合わず参入しにくい部分を狙う戦略です。すき間産業などとも言われますね。

市場の規模自体は小さいですが、競合がいないので独占しやすく安定しやすい特徴があります。
ベンチャー企業などが独自の技術を開発、もしくは独自の流通チャネルを利用するケースもあります。

いかがでしたか?

戦略、というと難しい内容を連想してしまいますが、普段私たちも当たり前に考えていることだったりします。
ちなみに今回取り上げた4つの戦略は「コトラーの競争地位戦略」と呼ばれており、1980年ころに提唱されたものです。
このほかにも「アンゾフの成長マトリクス」や「ポーターの経営理論」など戦略に関わる理論は多数あります。
興味のある方は一度調べてみてはいかがでしょう。

これからも色々なテーマを取り上げていきます。リクエストなどあればページ下部のコメントから送ってください!

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