3分で教えます!第2回はITの資格について。これからIT業界に飛び込もうと考えている人、スキルアップを考えている人などのお役に立てれば幸いです。
■ 目次 ■
IT業界の資格は大きく分けて2つに分類されます
IT系の資格は数多くありますが、大きく分類すると以下の2つに分けることができます。
国家資格
経済産業省所轄の独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が執り行っている国家試験をクリアすることで取得できる資格です。国家資格だけあって信頼度・知名度は抜群です。弁護士・看護士などの士業の資格とは異なるので、「この資格をもっていないとこの業務は行えない、開業できない」などの縛りはありません。システム全般のほかに上級者試験としてネットワーク、データベース、セキュリティ、システム監査などそれぞれの分野ごとに資格が分かれています。どの資格にしても国家資格というだけあって、総じてレベルは高くまとまった時間の学習が必要です。
ベンダー系資格
民間資格とも言います。ソフトを開発しているベンダー・メーカーやパソコンスクールなどが独自の基準でレベルを設け、限定したソフトやハードでの技量を認定しているものです。マイクロソフトが自社の製品のOffice(excelなど)を対象にしているMOSやデータベースではoracle,ネットワークではシスコなどが独自の資格体系を作っています。試験範囲が限定されるので取得までの学習が行いやすく、前述の国家資格よりは比較的短期間で取得可能です。業務で使用しているソフトなどと合致していれば実用的で即効性もあり評価されます。
国家資格とベンダー系資格どっちが取りやすい?
手っ取り早くIT系の資格を取りたい、というのであればベンダー系資格のほうがおすすめです。上級資格になると一定期間の研修があったりかなり高額だったりとしますが、入門・中級であれば一定の知識があれば取得できます。また試験範囲も限定されたものが多いので、参考書を集中的に学習し、過去問・類似問を暗記してしまえば、一度もそのソフトを触ったことがなくても取得できたりします。また試験を受けられるタイミングもベンダー系のほうが柔軟です。国家資格は年1~2回などと限定されているのが特徴です。
国家資格は水撒きのようなもの
国家資格の問題を見てもらえばわかりますが、固有のソフト名が一切出てきません。windowsやLinuxという言葉ではなく、オペレーティングソフト、excelではなく表計算ソフトといった具合に汎用的な表現になります。なので、普段の業務とリンクしにくい内容になっています。基本はシステムの概念を学ぶことが中心なので、実務と直結しにくい部分があります。じっくりとITのキャリアを積んでいこうという方に向いている資格と言えそうです。
国家資格の合格率は?
IPAのホームページから平成28、29年度を対象に調べてみました。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html
※試験名をクリックするとそれぞれの応募者・合格者数などが見れます。
初級資格:ITパスポート 48.3%
中級資格:応用情報技術者 21.0%
上級資格:スペシャリスト各種 14%~17%
やはり上級になるほど低くなっています。一般的な資格よりもかなり低い印象があります。
上記の数字は応募者数に対しての合格率なので、実際に試験を受けた人数に対する実質の合格率は上がるものと思われます。申し込みはするが当日試験に行かない(行けない?)人は一定数います。10年以上前ですが、私が行ったときでも2,3割の席が空いていたような記憶があります。
比較してみました
表にまとめると以下のようになります。(志築の主観です)
難度 | 費用 | 業務への即効性 | 周囲からの評価 | |
国家資格 | 高 | 安 | 低 | 高 |
ベンダー系資格 | 中 | 高 | 高 | 中 |
どちらも一長一短がある感じですが、
・業務で使うソフトが決まっていてその道のプロになりたい人や関与しているプロジェクトで必要性が出てきそう ベンダー系資格
・ITの地力をつけたい人 国家資格
という形で自身の状況次第で考えてみてください。
いかがでしたか?
今回は資格に関する情報でした。世間一般では資格全般を総じて「足の裏についた米粒=取っても食えない」などと揶揄されている向きもありますが、少なくともIT業界では初見でその人のスキルを把握する定規としてはかなり有効です。また奨励金・手当てなどの対象にもなりやすいので取っておいて損はない、と私は思っています。
これからも色々なテーマを取り上げていきます。リクエストなどあればページ下部のコメントから送ってください!