【成功】の反対は【○○○しないこと】

いきなりですが質問です。

成功の反対は?と聞かれたときにあなたはどう答えますか?

成功の反対は失敗?

おそらく大多数の方が「成功の反対は失敗」と答えると思います。

でも、私の考えは違います。私が思う成功の反対はずばり

【何もしないこと】

と思っています。失敗はあくまで成功までの道筋であって対極にあるものではなく、何もしないことが成功の対極に位置しているものなのです。

このテーマを考えるときに私自身強く印象に残っていることがあります。IT業界に転身したばかりの駆け出しのプログラマーだったときの話になります。

あるとき、常駐先のお客様からWEB画面を使ってユーザーが検索を行いその結果を画面に表示する、というオーソドックスなシステムの構築を任されました。まだまだスキルのなかった私でしたが、参考文献や周りのフォローを得ながら何とか一通り使えるレベルまで構築できたのですが、どうしても一部分だけ要求どおりに動かすことができずに期日を迎えることとなりました。どうしても納得がいかなかったので先方に頼み込み1週間ほど期日を延ばしてもらい、その箇所だけに集中してプログラミングを行いましたが、それでもうまくいきませんでした。使っていたソフトが海外文献しかないマイナーなものなので、それ以上はどうしても進めることができなくなりました。

もうこうなってしまったら正直に謝るしかない、と覚悟を決め担当者に頭を下げに行った時のことを今でも覚えています。自分自身に憤っていたのか、テンションが上がっていて、

「○○の件ですが出来る出来る、と言っておきながら結局今日まで1週間何も進みませんでした。もう今月の請負の料金はいりませんので好きにしてください」と責任者でもフリーランスでもない一会社員の私が言ったので、担当者はびっくりです。

何があった?と心配して尋ねられ事情を説明、「この1週間何もしてないと同じなので」と愚痴っている私に対して、それまでじっと話を聞いていた担当者が諭すように言った言葉が当時の私には衝撃でした。

「いいか、志築さん。技術職なんてそれが当たり前。大学とかの研究者なんていつ結果が出るかわからない、一生何も解決しないかもしれないことに向かって毎日取り組んでるもので、それが当たり前だし、それをしないと何も世界は変わらない。志築さんはこの1週間、何もしていないわけではなく、色々アプローチしたんでしょ?じゃあ、何をやって、どうなって、どんなエラーが出たのかをまとめて。それを蓄積させて選択肢を狭めていくのも立派な仕事だからね。次に同じようなことをする人が同じ失敗をしなくて済むことで貢献したことになるし」

失敗することが糧になるなんて・・・。貢献になるなんて・・・。怒られないなんて・・・。

当時の私の頭の中ではそんな思いがぐるぐるめぐっていました。今まで事務系の仕事しかしてこなかった自分にはすごく新鮮で、まさに目から鱗、という内容で今でも志築の一部になっているセリフです。

それから十数年後、石油の出光の成長過程を題材にした小説「海賊とよばれた男」でも失敗を蓄積して強くなっていく過程が描かれているシーンを読んだこともあり、なお思いを強くしました。

失敗したプロセスを大事にし、あきらめず続けていく先に成功がある。

失敗が続いても前向きでいることは本当に難しいです。自信がなくなるのは当然で、必要以上に自分を卑下してしまうし、何より楽しくないのでモチベーションが上がりにくい。そんなときはこの話を思い出してモチベーションをあげてもらえれば嬉しいです。

そしてこんなふうに考えてみてください。

失敗のパターンにも限りがあるはずなので、失敗を重ねることで確実に成功が近づいているはず。そろそろ成功したあとのことを考えておかないと。

 


返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です