ISOという言葉をビジネスの場や会社のホームページなどで見たことあると思います。
企業の果たすべき社会的責任(CSR)が増してきている昨今、ISOの重要性は高まってきています。
■ 目次 ■
ISOとは
ISOと書いて
International Organization for Standardization の略で日本語では
「国際標準化機構」と訳します。
(ギリシャ語のisosから取った、という説もあり)
各国の標準化団体から構成されていて、色々な基準を世界共通で定め統一しましょう、
という目的で活動しています。
その歴史は古く前身のISAは1926年に設立されていたようです。
各国1機関ずつの参加が認められていて日本からは日本工業標準調査会(JISC)が加盟しています。
本部はスイスのジュネーブに設置されています。
ISOの活動
ISOが標準化しているものは大きく2つのものに分類されます。
ひとつめは「製品そのもの」に対しての規格です。
工業製品であるネジや日々私たちが使うカード類がその例です。
銀行や交通機関などによってカードの大きさが異なるようでは財布に収納しにくく利用者も不便ですし、
ATMなど機器を作る側も困ります。
これらを世界共通で統一することで世の中の仕組みを潤滑にしているのがISOの仕組みです。
そしてもうひとつがマネジメントシステムに対しての標準化です。
みなさんも企業のパンフレットやホームページに「ISO 9001取得」などと謳っているのを目にしたことがあるのではないでしょうか?
あれはISO 9000番の「品質管理マネジメント」についての認証をISOから受けていますよ、という意味です。
品質管理について組織として取り組みを行い、決められた規定を手順に沿って実施、一定水準以上のレベルで取り組みを行っていることの証明になります。
すごく単純に言うと
取得するメリットは?
ISOを企業や団体が取得するメリットは複数あります。
一番わかりやすいメリットではないかと思いますが、新しく取引などを始める際の企業審査などの
場合にISOを取得しているかがメリットとなる場合があります。
また役所などの団体に入札する際にはISO取得企業であることが必須条件となることもあります。
ISOを取得するためには規定を順守して、それを定期的に見直す体制を構築する必要があります。
ISO基準を満たすマニュアルや規則の整備にはかなりの労力を費やすことが多いです。
現行の仕組みを見直す過程で抜けているものや甘い点などが見つかり、それを改善していくことで
企業としての業務レベルが上がることになります。
また従業員の意識も高まっていく傾向にあります。
上記2点目と近い内容ですが、ISO取得のためにはPDCAを回す体制作りが重視されます。
業務の属人化を廃止し、組織としての運用が求められるので仕事の進め方が統一され、そこから産み出される成果物のレベルも一定化していきます。
こう書くと機械化のようで無味乾燥な印象が出てくるかもしれませんが、効率性が求められる現在ではより加速化していく流れにあると思われます。
どんな種類があるの?
有名どころでは
・ISO 9001 ・・・ 品質
・ISO 14001 ・・・ 環境
・ISO/IEC 27001 ・・・ 情報セキュリティ
そのほか個人情報保護や食品安全などが普段の生活に身近なものとして有名です。
認証内容によって多少の違いはありますが、取得の流れとしては
1.認証取得を目的としたプロジェクトを発足
→専用のコンサルタントとの共同が一般的
2.fit & gapを調査
→現行の運用体制と取得に求めれるレベルを比較し足りないもの(gap)を洗い出す
3.審査に向けて運用体制作り・整備書類
→PDCAを回す体制を作り、足りない書類の作成とルール作り、既存の書類の妥当性チェックの段階になります。
ここが一番パワーと時間のかかる作業になりがちです。
4.審査
→複数日にわたっての審査が行われます。
実際の現場を巡回したり、会議室にこもってルールの確認・書類を行います。
5.定期検査の対応
→晴れて認証を受けることができると、以後は定期的なチェック・更新があります。
それに備えて常日頃から運用を実施し続ける必要があります。
基本的に上記のステップを最低でも半年前くらいから始めることになります。
実際に日々の業務作業を行っている現場からするとチェックシートの記入の手間が増えたり、
確認段取りが増えたりすることが多いのでなかなか定着が難しい場面もあります。
そういった点からもこういったプロジェクトで重視されるのが、経営者からのトップダウンによる強い指示が必要、ということになります。
いかがでしたか?
今回はISOについて取り上げてみました。
個人的な意見ですが、ISOなどの認証規格を取得するには従業員のレベルや企業の体力なども必要と考えています。
取得している企業については、一定のリテラシーがあり付加価値にも力を入れている企業(余裕のある企業、とも)、ととらえることもできると考えています。