独学で合格! 中小企業診断士 「経営情報システム」

中小企業診断士「経営情報システム」に独学で科目合格した実際の勉強方法を記しておきます。これから受験してみようと考えている方などの参考にしていただければと思います。

平成30年度の経営情報システム

先日発表された合格率を確認すると22.8%。
H29年の26%に比べるとやや難化ですが、ほぼ平均どおりの難易度と言えそうです。
実際に受けた感触として、得点できる問題と難しい問題とのレベル間の落差が大きく感じました。

難しかった問題でいうと、例年通り最終問題の分析系の問題やここ数年出題がなかった16問のCMMI(能力成熟度モデル)、またここまで突っ込んだ問いかけはなかった20問のE-R図などが目に付きました。2019年度に向けて押さえておくべきポイント・分野などが増えると思われます。
ただ、プログラム言語の特徴を問う問6やネットワークプロトコルを扱った問9,SQL問題の問8など基本的な知識で解ける問題も多かったので全体としては平均に落ち着いた印象です。
これはどの科目にもいえますが、こういった標準的な問題をいかに確実に解けるかがポイントになりますね。

勉強方法

※2019年度の試験範囲は発表されていませんが、例年と同様と仮定します。
まずは全体の学習時間ですが、

2ヶ月:約30時間

情報システム系は自身の経験してきた分野となるので、勉強時間は短めでした。
以下私が行った勉強法です。

そこそこ自信のある分野だったので、まずは過去問を一通り解きました。年度によっては一発で合格点が取れましたが、ストラテジ、認証規格の問題(いわゆる後半問題)の得点が不安定だったので参考書を通読するようにしました。


参考書はメインとして同友館のものを使用しました。
この分野は基礎が出来ていたので、主に時間をかけたのは過去問題。
5年分を2回ずつは回して本番、という流れです。
情報システムはほぼ0から取り組む、という人には参考にならないかもしれませんので、以下に個人的に考える理解のコツのようなものを書いておきます。

情報システムの理解の仕方

今まで情報処理試験などに縁のなかった人には本当につかみどころのない、厄介な分野だと思います。
・覚えることが多い
・略語が多い
・概念的なものが多い
・概念は理解したけど、目に見えないのでピンとこない
こんな感じを受けるのではないかと思います。
私自身がIT業界に入って一番初めに感じたことですが、暗号化技術など言ってることはなんとなく理解できるけど、日常のPC操作では目にしないのでわかりにくい、という思いがありました。
あとはメモリの高速化技術なども自分でコントロールするわけではないので、裏で動いているといわれてもよくわからない、また1秒間に百万回動いてるとか言われても目視化できないのでピンとこない、とか。
このあたり、実際にプログラムの仕事をしたり、エンジニアをしていると実際の技術に触れる機会が出来て知識として実感が湧いてくるのですが、別分野の仕事をしながら試験のために勉強している人には難しいですね。
情報システムの科目が暗記科目と言われている所以かもしれません。

しかし、中小企業診断士になるためには試験をパスしないといけない・・・。

こういったときに私自身が教えるときに実践しているコツは
「日常の仕組みに置き換えてみる」
ということです。

以下具体的な例ですが、
・CPUとメモリとHDDについては、「脳と机と本棚で作業をしている」イメージに置き換えます。
机(メモリ)にある本や書類を脳(CPU)で考えて終わったら本棚(HDD)にしまう作業です。
机が小さすぎると脳がどれだけ優秀でも一度の作業量が落ちますし、本棚が小さすぎると作業の範囲が狭くなりますよね?

あとは、フェールセーフは新幹線の異常を検知したときの自動急ブレーキ作動で活用されている考え方ですし、フェールソフトはジェット機の1系統に異常があった際に切り離して運用する考え方になっています。

先に出した暗号化についても日常に置き換えられます。
公開鍵暗号方式といえば、暗号化には共通鍵が使われ復号化には秘密鍵が使われる方式ですが、身近なもので言えば「南京錠」がその原理と同じです。
誰でも同じように鍵を掛けられるけど、開けるには専用の鍵が別で必要になる、という仕組みです。

上記はほんの一例ですがITの世界での考え方や仕組みは大抵が私たちの日常に何らかの形で用いられています。
小難しい理屈や用語も身近なものに置き換えることでぐっと理解が早まります。

今はネットでこういった説明をしているサイトも多くあるので、わかりにくい用語など検索してみてください。
大抵が上記のような例を用いているのでそこで理解を深めてしまいましょう。
(ただし情報の真偽は自己責任になりますので注意)
参考書は内容の説明には問題ありませんが、スペースの問題からかこういった「例え」をしていることが少ないと感じています。

暗記も必要な科目です

概念などは上記の「例え」である程度カバーできたとして、やはり暗記することも必要な分野です。
ネットワーク分野でのプロトコルの種類やファイル形式、文字コード、プログラム言語、インターフェース規格・・・。
このあたりは暗記がベースですが、実は代表的なものは自分の使っているパソコンでも使われています。
ファイル形式であればjpeg,png,mp3など簡単に手に入りますし、インターフェースであれば側面を見ればUSBやHDMIは端子がついているはずです。
文字コードもブラウザのメニューを選ぶことで今の設定を確認したり、切り替えることが簡単にできます。
ちょっとハードル高いですが、Windowsならコマンドプロンプトを開いてpingが打てたりipconfigで自分のIPアドレスを見ることができます。
こういった技術に直接触れることで親近感が湧いて覚えやすくなると思うのでぜひ実践してみてください。
(とはいえ地道な暗記作業も怠りなく・・・)

選択肢を絞るコツ

あとはとくにソフト名などで多いのですが、まったく聞いたことのないようなものが選択肢に出てくることがあります。一部の環境でしか動かないソフトや用途が限定されているものなどで、マニアックなやつです。
過去問を解いていての感想ですが、これらの選択肢が正解になっていた例はありませんでした。
なので余裕があればそれらも覚えてしまいたいのですが、選択肢すべてを理解する必要はありません。まずは参考書に出てくるプログラム言語やプロトコルを押さえることを優先してください。
また主にセキュリティ分野で参考書に載っていない新しい攻撃方法などが出題されることがあります。普段から情報系のサイトや書籍をチェックするしか対策はありませんが、案外名称から推察できるものが多いです。また選択肢の内容も正解以外は既知の攻撃方法を書いているのが多いので、消去法である程度絞ることができるはずです。
このあたりは冷静に対処していくしかないかと思います。

科目免除はアリか?

経営情報システム科目には他の資格保有者の科目免除があります。主に情報処理試験が対象となりますが、一番下のクラスで「応用情報技術者」となっており、これはオススメできません。
「応用情報技術者」の過去問や参考書を見てもらえばわかりますが、中小企業診断士の経営情報システムよりかなり深い知識を問われていて、難易度は高いです。(専門の資格ですから当然ですね)
情報処理の分野も深めて行きたい、と考えているのなら別ですが、中小企業診断士を第1のゴールとしているなら科目免除は考えないほうがいいと思います。
経営情報システム合格を目指して勉強を行うことを薦めます。


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