独学で合格するための5ステップ –中小企業診断士 共通編–

このホームページのアクセス分析を見ているとここ最近、
・中小企業診断士 独学
・中小企業診断士 勉強方法
などのキーワードでの検索が多くなってきているので、今回は私が実施した独学の勉強方法をまとめてみようと思います。
(この記事を執筆時点で3科目(運営管理、情報システム、政策・経営)の合格なので、その前提で参考にしてください。科目別の対策も別途書く予定です)
革新的!とはいかないかもしれませんが、それぞれのステップでの留意点など役に立つのではないかなと思いますので。

独学での取得は可能?

まずはよくネット上でも議論になっている学習スタイルですが、私は独学でも十分「可能」だと思っています。
一昔前ならともかく今では、調べ物はネットで即座に行えますし、有名な資格だけに参考書も充実しています。また試験内容もニッチなものではなく、汎用的・一般的な内容なので“スクール・通信教育でしか入手できない情報”はないと考えています。
スクールなどでメリットがあるとしたら、”金銭を支払うことで外部から強制力を発生させる”、とか”コミュニティに属する”といった点でしょうか。長い資格勉強を継続させるためには必要な要素ではあると思うので自身の性格や環境で必要と思うのであれば全然ありだと思います。
私自身は”費用を抑えたい”というのと”自分自身のペースでやりたい”,”勉強方法も含めて試験対策として取り組みたい”と思っていたので独学で進めました。とりあえず今年に関しては結果が出たのでこのまま独学を継続する予定です。
(まだ先の話ですが、2次試験対策は期間も限られているのでスクールもありかな、とかは考えています。まずは1次試験ですが・・・)

独学かスクールか。
これはご自身の性格・環境で決める問題で正解はありません。
どちらを選んだにせよ結構な時間と気力の出費は必要になる資格です。(一般に1,000時間必要とよく言われています)

アウトプットする機会を作る

これ、結構大事じゃないかと思っているのが勉強した知識をアウトプットする経路を作ることです。
知識のアウトプットはインプットと同じくらい重要といわれています。
参考書などから知識を蓄積するだけではなく、それを自分なりの方法で吐き出してみる、ということです。
仕事しながら勉強している人は、学習で得た知識を実際の業務で実践できれば最高でしょうね。

アウトプットについて私が強く勧めたいのは「ブログ」です。

すでにブログを書いている人もいるでしょう。
ブログなんて目新しい仕組みでもないので今更と思う人もいると思いますが、ブログは全世界に発信されます。まあよっぽどSEOに力を入れるかしない限り世界中から頻繁に見られることはないですが仕組みとしては全世界に開放されることになります。
そこに向けて書くとなるとやっぱりある程度しっかりした文章で書かないと、と思います(私は)。
書く内容は進捗報告でも得た知識をTips的に書く、でも何でもいいです。内容より発信すること、それを続けることに注力してみてください。
アクセスなどがぼちぼち上がってきたりすると嬉しいものですよ。
そんな時間があれば勉強やリフレッシュに使ったほうがいい、という声も聞こえてきますが、馴れてくれば一記事30分程度でアップできますし、何よりシステムの勉強にもなります。

あとプライバシーを曝す必要はありませんが、ブログを書いていることは周りにオープンにすることをオススメします。
容姿は見られていることを意識することで引き締まっていくのと同様、誰かに見られていると思うことで意識が変わってきますので。

一応過去にブログの立ち上げ方を記事にしているので、これを機会に始めてみるか、という方は参考にしてください。


参考書選び

さて次は参考書の選び方。これについて私は今回各科目ともTACと同友館のダブルスタンダードで臨みました。
よく大学受験などで参考書ばかりが増えていく、というような揶揄がありますがこの2冊にしたのは理由があって、

・TACは業界でトップクラス。スタンダードとして抑えておくべきと考えた
・同友館は「論点」という切り口で各試験の範囲を細分化していて、学習の進捗管理や全体像の把握がしやすそうと考えた

という考え方です。
結果としてこれはうまくはまったようで、同友館の論点単位で学習をすすめ補足としてTACで確認というスタイルが確立できました。
また中小企業診断士は範囲が広範囲に渡るため、1冊だけでは抜け・漏れが出てしまう可能性があります。なので違う会社が発行している2冊で補完するというのも必要だと感じました。(基本的にTACのほうが詳細に解説が載っていますが、どれも重要に見えてしまい優先が付けにくかったです。かといって同友館のだけだと情報が限られていて物足りなかったり。)

このあたりスクールとかだと考慮されたテキストがあると思います。参考書選びのリスクは独学のハンデかもしれませんね。

独学STEP1:まずは参考書を1回読了する

前置きが長くなりましたが、ここからいよいよ実際の学習方法に移ります。
まずはベタですが、参考書を一通り通して学習します。
2018年度の運営管理だと、同友館のテキストでは論点が70個くらいに分かれていたので、1日2~3個をこなすようにしました。大体これで1ヶ月弱くらいかかります。途中で振り返ると以前覚えていたことが抜けている、なんてことはざらにありましたが振り返りすぎると進むペースが遅くなり、意欲も削がれてしまうので出来るだけ振り返らないようにしました。
あと、途中でどうしても理解できない、イメージがつかないようなことが出てきてもチェックだけして先に進めることが必要です。あとの論点を理解することでわかることも出てくるでしょうし、一回目は100%理解することが目的ではないからです。あと細かい式や図表などを覚えるのもこのステップでは重視しません。あとの過去問題でいやでも覚えることになるので。

とにかくこのステップは全論点を経過することに意味があります。

まずは荒くてもいいので山の頂上まで登ってしまいましょう。どれくらいの道のりなのか、急斜面はあるのか、休憩する場所はあるのか、などの情報収集が自分なりにできれば上出来です。
着実に進んでいるという達成感を積み重ねていきましょう。

独学STEP2:過去問で合格までの距離を確認する

テキストの読み込みが終わったら過去問に挑戦してみましょう。「過去問は最良の教科書」といわれている通り、合格までに絶対に欠かせないものです。
まずは直近2,3年程度の過去問に挑戦してみます。が、ここでは得点を取ることが目的ではなく出題傾向と自分の理解度の確認が目的ですので、以下のステップを踏みます。

①問題を解きながら、各問題をABCランク付けする
②A・・・解けた問題、B・・・2択までは持っていけた問題、C・・・まったくわからない問題、という感じです。
③まずは最後まで行い、採点します。その際に以下の指標を出します。
・全体の得点
・全体に占めるABランクの割合
・ABランクの得票率

私はエクセルで定型表を作り年度ごと・試行回数ごとに打ち込むようにしていました。
1回目の今回は「全体に占めるABランクの割合」と「ABランクの得票率」に着目します。(当然全体の得点で60%を超えていればそれに越したことはありません)
ここでABランクの割合が低くてもあまり気にする必要はありませんが、ABランクの得票率が7割くらいは欲しいところです。理解していると思った問題をどれくらい解けているかを気にしてください。確実に取れる問題を確実に正解することが出来ていれば、あとはその問題を増やすことに注力すればいいのです。

2,3年の過去問題を解けば大体の出題傾向と自身の得手不得手も見えてきていると思います。

独学STEP3:テキストに戻る

過去問にひととおり触れたところで、テキストに戻ります。時間が許せば冒頭の論点から再度流しますが、今度は以前より強弱が付けられるはずです。ここは重要じゃない、とか、ここはやっぱりよくわかってなかった、とか。そして理解度が足りないと感じた場所についてはTACの参考書をじっくり読み込むようにします。そしてもう一度過去問の対象の問題を解いてみます。同友館の参考書は論点ごとに過去の出題箇所が書かれているのでほんとに便利です。
過去問を何度も見てしまうと答えを覚えてしまうのでは?という心配をしていましたが、見事に杞憂に終わりました。ので過去問は何度も見てもかまいません。
そしてこの段階でCランクだった問題もABランクに引き上げるようにします。
(なお、どの科目のどの年度でも2問程度マニアックな問題が出ています。これはもう”捨て問”としていました。もったいないですが、深追い不要とするのも必要と考えています)
あと、計算式や図表なども実際の問題を解きながら覚えこむようにします。公式だけを暗記するより実際の問題を解いた式をベースにしたほうが覚えやすいと思います。

独学STEP4:専門書を読む

STEP3と並行してテキスト以外の書籍にも目を通しておくことをオススメします。たとえば生産管理などであれば、「図解 生産管理」や「90分でわかる物流の仕組み」などの入門~基礎対象の本です。あまりアカデミック過ぎるのは重たいので興味があれば、という程度です。

本を読んでみると、テキストで学んだ言葉や略語が出てきます。“あ、ここは勉強したところだ”とか”ほんとに現場で運用している仕組みなんだ”などといった「気づき」が出来ると思います。知識の再確認とともに前に進んでいることの達成感を得るためにもこのSTEPは是非行ってみてください。
この時期の週末、私は図書館と古本屋巡りをしてましたね。

独学STEP5:過去問を受験する

これが最終ステップとなりますが、再度過去問を今度はしっかりと受験します。時間も測りましょう。
上記のステップを確実にこなせていれば合格点近くを出せていると思います。
あとは苦手分野を出来るだけ減らすことを繰り返していくのみです。
私は受けていませんが、スクールが開催している模試や問題集を解くのもいいと思います。試行回数を増やして知識を汎用的に使えるよう定着させていってください。

さいごに

お疲れ様でした。
まだまだ私自身、1次試験に挑戦中の修行の身ではありますが、自分なりに集めた情報とそれをもとに実践した方法になります。これから始めようと考えている方の参考になれば幸いです。


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