独学で合格! 中小企業診断士 「中小企業 経営・政策」

中小企業診断士「中小企業経営・政策」に独学で科目合格した実際の勉強方法を記しておきます。これから受験してみようと考えている方などの参考にしていただければと思います。

平成30年度の中小企業経営・政策

先日発表された合格率では約20%。
率もそうですが、手ごたえとしてもほぼ例年通りの難易度といえそうでした。
とくに奇をてらったような問いもなかった印象です。
配点も経営・政策それぞれ50点ずつの計100点と例年通りでした。

勉強方法

※2019年度の試験範囲は発表されていませんが、例年と同様と仮定します。

まずは全体の学習時間ですが、

2ヶ月:約60時間

この科目は「経営」分野と「政策」分野で全く内容が異なるのでそれぞれで勉強方法は大きく異なります。

■経営
この科目については中小企業白書からの出題がほぼすべてを占める、と言われています。
なので白書を中心に勉強をすることになるのですが、一度見てもらえればわかりますが白書のボリュームはかなりのものです。
サイトからPDFでダウンロードできるのですが全体で約600ページほど。
特に試験用の資料でもないのでハイライトというか強弱というものがなく、淡々とグラフと解説が載っている資料です。

「これをどう勉強しろと?」

というのが初見の感想です。

そこから自分なりに情報を集めると、

・白書は試験年より1年前のが対象となること
・主な対象は白書本編と小規模企業白書
・白書をまとめた参考書があること
・出題される問題には傾向があるので絞り込むことがある程度できること

などがわかってきました。

以上のことから以下の方法で対策を進めることに。

・参考書をベースに一通り学習を進める
・過去問を解いて範囲を把握。(ただし時勢が変わるので3年分程度まで)
・白書は直前に流し読む程度にする

上記方法で進めましたが、過去問が実力の把握にあまり当てにならないので手応えが最後まで掴めない科目でした。
どの範囲をどの深さまで押さえておく必要があるのか、パスした今でも自信を持って言い切れない分野です。

自分が意識したポイントとしては、
・企業数・従業員数の推移は業種・規模ごとに抑える。全体数・増減率を上位3位程度まで
・売上・経常利益も上記同様
・開業・廃業について業種を上位3位まで。都道府県別も同様に。
・事業承継関連は実態と課題を中心に。高齢化、承継できない理由をテーマに。
・新事業展開は、展開の種類の順位、課題をテーマに。
ほぼ上記のポイントだけに絞りました。
ほかにも輸出企業の現状や労働生産性、製造・非製造などが過去問からも出題されていましたが、
あまり深堀(暗記)しませんでした。

これで大体60%くらいの範囲はカバーできていた印象です。
が、繰り返すようですが本当に掴みにくい科目。
特に傾向などについては同じグラフでも書籍によって「やや増」、と書いてあったり「ほぼ横ばい」とあったり。
あまり細かい点まで押さえすぎようとせず、傾向と順位を抑えることに注力するのがいいと思います。
一部数字を問われる問題もありますが、数%の違いまでは問われていないので。

■政策
こちらは主に制度などについて問われる分野となり明らかに経営よりは取り組みやすいと判断できたので、
こちらで得点を稼ぐ方向で進めました。

テキストベースに各政策・制度を暗記。その際には、
・制度名称
・制度の目的
・対象者と承認者
・条件(保証人、担保の有無)
・支援内容(年数、金額上限)

これらの内容をもとに分類分けしていました。最終的にかなり数が多いので手間ですが表形式にまとめて正解でした。
一覧化することで違いなども押さえやすくなるのでオススメします。

あとは基本中の基本の企業規模の分類。
これは出題率100%なので必ず押さえるようにしましょう。過去問が最良の教科書になります。

そのほかでは共済制度、組合制度、下請関連を抑えることで80%程度はカバーできるはずです。
残りの20%は例年初めての出題範囲となる制度などが占めているのでこれをカバーするのは困難ですし、リスクが大きいと思います。
なので参考書・過去問(5年は押さえたい)ベースに注力するべき、というのが私の意見になります。
これで十分合格圏内に入り込めるはずです!

経営・政策のポイント

典型的な暗記科目と言われている経営・政策。
一番勉強時間と比例して点数アップが見込める科目とも言われているので得点源として重点的に取り組むのを推奨しているのを目にしますが、個人的には疑問です。
確かにある一定までは到達できますが、白書などを網羅するのはかなりの時間と気力が必要です。政策も対象を広げすぎて逆に抜け・漏れが出る恐れもあります。
暗記が得意であまり苦ではない、ということであればOKですが、無理するべきところでもないと思いました。

とにかくアウトプットしましょう

改めてこれが重要かと。

覚えるべきポイントを表にして整理。前後関係や関連・比較のためにも手間をかけて自分なりの早見表を作ってみてください。
対象範囲が見えるだけでずいぶんと取り組みやすくなるはずです。

あと余裕があれば商工会議所などに行ってみるのもひとつです。
マル経融資や退職金共済のパンフなどが置かれているので内容を身近に感じたりできますよ。

単調になりがちな暗記勉強のモチベーションを保つ方法を自分なりに見つけるのもポイントのひとつですよ。


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